離婚と養育費A


養育費の増額・減額






養育費は一度決まったものだからといって必ずしも変更ができないわけではありません。事情に変更があれば増額・減額できます。養育費の支払いは期間が長期に及びますので、その間、両親や子供を取り巻く環境が変化します。 その場合は養育費の増額・減減が可能です。もちろん養育費の減額・増額は当然に可能なわけではなく、例えば次のような時です。

   ◆増額できるを申し出ることができる場合  
  ・子供をひきとった親の失業等により収入の低下  
  ・子供をひきとった親の病気等により収入の低下  
  ・子供の進学・転校・入学に伴う場合  
  ・物価水準の上昇

   ◆増額できるを申し出ることができる場合  
  ・支払う親の失業や転職による収入の低下  
  ・支払う親の病気や入院により収入の低下
  ・子供をひきとった親の経済状況の変化

などです。変更はふたりで話し合って合意すればよいですが、もし合意しないようであれば、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。   

養育費の振込口座


養育費の振込口座は「子供の名義の口座が良いのか」「親の名義の口座が良いのか」ですが、支払う側が「子供の支払っているのだ」という意識をもつためにも、 養育費は「子供の名義の口座に」振り込んでもらった方が良いといえます。

また子供が複数人いる場合、それぞれの口座に振り込んでもらうか、いずれかの口座にまとめて振り込んでもらうかですが、毎月の振込手数料を考えると、まとめて養育費を支払ってもらった方が 効率的だといえます。ただ現在は、手数料のかからない振込方法などもありますので、どのようにするか、話し合いで決めるとよいです。


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養育費の時効


養育費の請求に時効はありません。精密に言えば、子供が養育費を請求できる権利には時効がありません。養育費は子供が成人になるまでいつでも請求できることになっています。 たとえ夫婦が「養育費は請求しない」という約束をしたとしても、子供が養育費を請求できる権利はなくなりません。養育費を請求できる権利自体は消滅しないのです。


しかし、もしあなたが養育費について、何らかの契約を交わしていた場合は、養育費は、契約内容によって、時効期間が5年、もしくは10年になります。例えば、「毎年100万円」というように年ごとに養育費を定めた場合は、養育費の時効期間は、10年になります。 一方、「毎月7万円」のように月単位ならば養育費の時効は5年となります。 ですから、もし公正証書で養育費の約束をしていた場合でも、調停調書の中で養育費の約束をしていた場合でも、支払が滞った場合、いつまでも放っておくと時効が到来して、未払い分の請求ができなくなることがあります。もししはらいが 滞った場合は、速やかに請求手続きをするようにして下さい。


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再婚と養育費

支払う側・子供を引き取った方の親が再婚した場合の養育費についてです。 本来、再婚による養育費の支払いには、影響はありません。

ただし離婚の際、当事者で特別の約束をした場合には、別の方法もあります。例えば再婚した場合には養育費の支払いをなくしたり、額を減額したりなどですね。 養育費の見直し条項といって、「子供をひきとっている親が再婚した場合は、養育費の有無、増減について協議のうえ、見直しできるものとする」等という一文を入れておくことにより、協議の余地ができます。これにより、再婚による養育費の有無や金額の増減の見直しができます。 再婚したことにより、当然に養育費の支払いがなくなったり、減額などができるものではありません。


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養子縁組と養育費

@元配偶者が再婚し、新しい親が養子縁組をした場合の養育費

A再婚し養子縁組をした子供がいる場合、離婚したら養育費は支払うのか
などちょっと複雑なパターンです。

@の場合、実の親の養育費の支払いはどうなるのか?ですが、基本的に新しい親が養子縁組をしようが実の親子の縁は切れません。つまり、養育費の支払い義務はなくなりません。子供は新しい親に扶養されながら、 実の親からは養育費をもらうことができます。 ただしこれは、離婚時の約束により、別の取り決めも可能です。 例えば、「いずれか一方が再婚したら養育費の支払の有無や金額について協議ができる」というような一文を入れておくと、協議の申し入れがしやすくなります。 こういった将来的なことを考慮して離婚協議書公正証書を作成しておくとよいです。


次にAの場合です。ポイントは、結婚・離婚と養子縁組は別々であるということです。結婚しただけでは養子にはなりません。したがって離婚しただけでは養子は離縁しません。それぞれ別々の手続きが必要だということです。 これにより、離婚したとしても離縁しない限り養育費を支払う義務があります。離婚と一緒に離縁した場合には支払いの義務がなくなります。

また、前項の再婚にしても養子縁組にしても、新しい親との関係を大切にするために、再婚や養子縁組をした場合は、再婚した側の親のほうから積極的に養育費の支払いをストップを求めることもあります。


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養育費の支払いが滞ったら

養育費の支払いが滞った場合です。公正証書や調停調書を作成したにも関わらず養育費の支払いが滞った場合はいきなり強制執行の手続きをするのではなく(してもよいのですが)  まず配達証明付内容証明郵便で養育費の支払いを催促ましょう。  

その中で、養育費についての具体的な約束の事実・滞っている養育費の額・滞っている期間・滞っている養育費の支払い期限・連絡方法などを明記します。  最初はこれで様子を見るとよいです。もしかしたら、何らかの事情があるのであるのかもしれません。  

しかし、もし、期限到来しても支払いが無い場合は、その時は強制執行の手続きをしましょう。手続きの簡単な流れです。

 @公正証書を作成したに公証役場に連絡し、債権債務が存在していることを確実に証明する「執行文付与」をしてもらう            

 A公正証書送達証明書をもらう(作成に時点で送達していることもあります)            
 B地方裁判所に債権差押命令申立てを行う

という流れになりますので、まずは公正証書原案を作成してもらった専門家に相談して今後のアドバイスをもらうようにしましょう。


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養育費の強制執行とは

これまで養育費を差し押さえるには、滞納分についてだけで、滞納する度に強制執行の手続きが必要でしたが、養育費などの支払いを確実にするため、平成16年4月から以下のように改正されました。

(1)約束した養育費が一回でも支払われなかった場合は、一回の手続きで将来の分も含めて給与などの継続的な収入について将来の分も差し押さえることができるようになった。
(2)給与については、差し押さえできるのは、上限が4分の1まででしたが、限度額が2分の1までとなった。
(3)収入を隠すなどの対策として、財産開示手続きも可能になった。
ただし、この手続きは誰でもできるわけではなく、調停調書や公正証書があってはじめてできるものです。


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自営業者の強制執行

  

養育費の強制執行は、支払う側の給与を差し押さえて、月々もらうべき養育費の額を自動的に給与から引き落としされる手続きを取ることで行われます。これは、一度手続きをすると、例えば「子供が 20歳になるまで」とか、「社会人になる時まで」とか、約束して期限まで自動的に行われるようになるという非常に便利な制度です。もし相手が転職した場合には、再度手続きが必要になりますが。


つまり養育費は月々の給与を差し押さえることで行われます。では、給与制ではない自営業の方の場合はどうなるのでしょうか。結論から言って、やはり会社員の方のように月々の給与のような 差し押さえが難しくなります。

しかし養育費には差し押さえの順番があり、@給与・預金 A不動産 B動産です。これでいくと、給与の差し押さえが困難な自営業の方の場合は、預金(個人名義の口座)を抑えることになります。 ただし、相手の預金口座がどこにあるのかということまで裁判所では調べてくれないので、銀行と支店名は把握して強制執行に臨む必要があります。もし分からないようであれば、相手の住所の近くの銀行を いくつかまとめて差し押さえをかけることになります。この場合、差し押さえる銀行の数により手数料となる切手の料金が異なるので、費用がかさむことになります。

また、もし相手が借金など抱えている場合、銀行の方が先に借金を回収してしまうので、結果養育費の差し押さえができなくなることもあります。


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養育費を支払う側が死亡した場合

離婚後、養育費を支払っている方が何らかの事情により死亡した場合は、養育費は以降はもらうことができなくなってしまう。それでもなお、お子さんが成人するまでの権利は守ってあげたいと 思ってしまうのも心情だと思います。 こういった場合、養育費を支払う側がサラリーマンでかつ厚生年金に加入していた人で一定の要件を満たしていれば、子供に対して遺族年金(遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。) が支払われます。

遺族年金(遺族基礎年金及び遺族厚生年金)の主な受給資格を以下にまとめました。

@国民年金・厚生年金の被保険者であること。
A被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間、保険料特例期間を合算した期間が3分の2以上あること。
仮に被保険者期間が10年(120ヶ月)の場合、保険料納付済・免除・特例期間を合算して80ヶ月以上あること。
B18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子。または20歳未満の子であって第1級または第2級の障害の状態にある子。
C子が婚姻していないこと。

また、遺族とは、「死亡当時、被保険者によって生計を維持されていたその人の子」という要件です。
したがって、養育費は子供名義の口座に振り込んでもらい、養育費をもらっていた証明できるようにしておいた方がよいでしょう。


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